DOCTOR VOICE院長こぼればなし

院長の現在と過去

当院は獣医師、動物看護師、受付、クリーンスタッフそれぞれが、お互いに敬意をもって一緒に仕事をし、分担する素晴らしい動物病院です。

 

私(院長)が修行中の頃には、獣医師が受付をし、診察・検査を行い、調剤し、会計する。

朝、8時半からの始業でしたが、それでは入院患者の世話が間に合わない、、、だから朝7時半に出勤していました。

宿直もあって、ニュースで「過労死ラインは月80時間の残業」というのを知って、晩酌しながら「なら俺は月に4回死ねるな」と思ったものです。

もちろん、本人が望めば、そんな働き方も悪くはありません。若いうちに限界点を伸ばしておけば、あとあと役に立つ事も大いにあるものです。

しかし、当時の私は「小動物臨床獣医師」になど、ならなければ良かったと思っていました。ハードワークで自由に有給休暇も取れない、労働基準法なんて夢の国のお話です。

それでも給与は人並みサラリーマン以下。頑張って人より勉強して、大学を出ても日々是勉強しているのに。

なまじ、獣医師免許を持っているばかりに、それに縛られている気持ちでした。もちろん臨床は大好きでしたけどね。

 

2人目の子供が生まれた時に、この子を大学まで行かせられないかも・・・と考え、独立を志しました。

ホントは開業なんてしたくなかったのですけどね。借金かぶるし、うまく行かなければ破産だし、全部自己責任だし。ホントはずっと勤務医がしたかったです。

 

しかし、色々と幸運に恵まれて、専門医でもない自分が試行錯誤しながら、ここ動物病院川上で運営を軌道に乗せることが出来るようになりました。

 

時代は変わりました。獣医師が雑務に追われて忙しすぎてミスをしていては、しょうがありません。

私が院長を務める動物病院川上は私が、修行時代に嫌だった事の全てを排除した労働環境です。

 

獣医師は診療業務・手術に集中します。病院の掃除や入院ケージの掃除はクリーンスタッフさんや動物看護師さんの仕事です。

入院患者の投薬もゴハンの世話も動物看護師さんの仕事です。獣医師は獣医師にしか出来ない仕事に専念できます。

学会やセミナーに行きたいのであれば、病院が全費用(交通費・宿泊費)を負担します。欲しい本もあれば、病院で買います。

担当患者さんの治療に対して横やりを入れません。もちろん、アドバイスを求められれば、「自分ならこうする」的な話はします。

有給休暇もあります。仕事一辺倒にならないように積極的にリフレッシュしてください。

給与も動物病院の平均的な額よりも多めにしています。実績表もあるので、先生たちが給与に不満を持つことは今まで、一回もありません。

診療を急がせることもありません。納得のいく診療を各先生にしてもらいたいのです。

キャリアアップシートを半年に一回作成してもらいます。ご自身の素直なキャリアプランを書いてもらい、病院はその実現に向けてサポートします。

 

何故、ここまで当院は獣医師を大切にするのか。

本当に応募が無いからです。

そんな中、当院で働いてくれる先生達には、最高に働きやすい職場を提供したい。

先生たちの余計なストレスが無くなれば、より良い診療が出来る。それが病院の評判に繋がる。

院長の私一人が頑張れば、何とかなる規模ではなくなりました。

各先生、受付、動物看護師、クリーンスタッフさん、それぞれに気持ちよく働ける環境を作る事。

その結果病院運営がうまく行き、栃木、群馬、北部埼玉の中核動物病院として患者さん・飼い主さんに貢献すること、これが今の私の仕事です。